しんかい6500に乗りたい!(その2)


 
  さぶーん。と着水しました。
  着水する瞬間を中から見ているとこんな感じです。
  アームが浸かったあ。
  ざぶざぶざぶ。
  バラストタンクに水を入れて、いよいよ潜航開始! バラストタンクに水が流れ込んで、水柱を揚げている様子がわかりますか?
  ごぼごぼごぼ。ゆっくりと潜り始めます。水は青いなあ。

  でも、こんな青い風景もすぐに見えなくなります。あっと言う間に真っ暗になります。

  海面から離れて潜り始めると、まったく揺れなくなります。例えて言うなら、どんなエレベーターよりも静かで降下感もありません。

  それにしても、外は真っ暗です。海底まで約1時間かかります。

  ずっと慌ただしく操船してくださっていたパイロットのお二人も、ようやく一息という感じです。

「これまで潜った中で、どこの海が一番ですか?」なんて話を伺っているうちにあっと言う間に1時間過ぎてしまいました。ようやく海底が見えてきました。
  ゆっくりと着底します。ぶわーっと泥が巻き上がります。
  潜航調査は、行き帰りの行程を入れて8時間ほどです。ですから海底でランチもとります。今日はサンドイッチとコーヒーでした。
  船内は狭いですが、涼しく、かつ乾燥してて快適です。飛行機のように気圧が変化して耳が、、なんてこともありません。外の観察に影響しないように、船内の照明は暗めですが、目が慣れてくるので大丈夫です。
  パイロットのお二人がテキパキと操船してくださいます。画面右のリモコンみたいなのが操縦機です。2つの窓を覗きながら操作するのは、この方が便利のようです。
  窓から海底を観察して、写真を撮ったり、試料を採取したりします。

  実際に見るのと写真・ビデオじゃ大違いです。下船してから、再び写真を見ると、正直がっかりです。広がり、奥行き、質感、、ぜんせん違いますね。

  ライトの届かないところは真っ暗の世界です(と、いっても、目ではもう少し遠くまで見えるのです。しかも色も違う)。
  さて、今日も時間いっぱいまで調査できました!さあ上に戻りましょう。抱えているオモリを切り離すと「しんかい」は浮上します。

  ところで、こう説明すると「では、毎回おもりを捨てるのですね?」と聞かれます。もったいない、と思われるのでしょうか。でも、乗っている側からすると、何のエネルギーも無しに浮上できるというのは、とても安心感のある仕組みです。しかも、おもりは次回のマーカーにもなります。

  さて、帰り道もまた暗闇の中を1時間浮上し続けます。

「よこすか しんかい 離底した。異常なし。どうぞ」

 

<2/3ページ>

←前へ次へ→

四万十帯に便利

巡検に便利

1.チムニーの化石!
サンタクルズ,カリフォルニア州
2.砂ダイクと乱雑堆積物!
室戸市黒耳と行当
3.活メランジュ!
台湾最南端ケンティン
4.夜市!
台湾全土
5.クリープ断層!
ホリスター,カリフォルニア州
6.巨大砂ダイク!
サンタクルズ再びカリフォルニア州
7.世界初!
四万十帯に地震の化石が
8、チェルンプ断層の写真集!
台湾中部
9、四国四万十帯を代表するメランジュ!
高知,横浪
10.しんかい6500に乗りたい!
11.さらし首!
和歌山の混在岩層
12.南海トラフの航海
海底地震計をキャッチせよ

学生募集

山口大学で一緒に研究しませんか。学部および大学院生を募集します。山口大学の入試情報はこちらです。




 
サイト内検索

by Google


All Rights Reserved.
This site is written by

Arito Sakaguchi


四万十帯に便利
  トップ 講義に便利 巡検に便利 工作に便利 何かに便利? このサイトは