横浪大好き! 五色ヶ浜ルート
update 2005.11/13
メランジュとは?
そもそもメランジュとはなんじゃい? と、聞かれれば、ぐちゃぐちゃで付加体に特徴的な地質体のことです、というのが答えです。フランス語のメレンゲを語源にすると教科書に書いてあります。そういや香辛料屋にはメランジュというブレンドが売ってありましたし、ケーキ屋ではクリームをナッペしました書いてありました。料理用語と地質用語は関係深いのかな? それはさておきメランジュですが、地質図スケールの巨大なグチャグチャであればメランジュだ。という定義ですので、何が含まれていようが、どうーやってできたのであろうが関係ありません。「でかいぐちゃぐちゃゾーンだなあ。じゃメランジュね」てな感じです。というわけで、メランジュってどうやってできるんですか? と言えば、メランジュによっていろいろでしょう。となります。それぞれ個別に調査しないとわからないってことですね。
さて、今回紹介する横浪メランジュは、四国四万十帯に数あるメランジュの中でも有名なメランジュの一つです。とにかく、ひじょうに露出が良く、おかげでたいへん詳しく調査されているメランジュです。そして80年代に四万十帯そのものが実は付加体であることが証明された舞台でもあります。もっとも、今時の若者にとっては「四万十帯は付加体なんだ!」なんてことは、もはや当然の助動詞なことでしょう。月にウサギはいないことや、地球は太陽の周りを回っていることや、月末には必ずバイト代が支払われるのと同じくらい、当ったり前のコンコンチキのイッパンジョーシキかもしれません。でも、そんな記念碑的メランジュは一見の価値大蟻(おおあり)です。ぜひ見に行きましょう。
アクセス
高知空港に着いたら海へ出ます。黒潮ラインと呼ばれる県道がずーっと海岸沿いに伸びてますので、これを西に西に進みます。大きな浦戸湾大橋も渡って、仁淀川大橋も渡って横波半島へとひたすら走ります。市内の渋滞も関係なく、とっても気持ちよい海辺のドライブコースです。そうして宇佐の街に着きます。「ようこそUSA」の看板を探しましょう。ここで浦ノ内大橋を渡って横浪スカイラインへ。ここは適度なカーブとアップダウンの走りやすい道ですが、今日は巡検なので、竜の浜海水浴場を抜けて坂を登ってすぐ左の駐車場に停めましょう。さあ、五色ヶ浜です。
横浪半島のアップです。スカイラインも昔は有料でした。 |
メランジュの断面を一望して野心を抱く(地点1、3、4)
さて、五色ヶ浜の看板がある階段を降りると礫浜が広がります。これを左に進むとメランジュの北の境界が、右に進むとメランジュの中央部までを見ることができます。また別のルートからアクセスすると南の境界まで見ることができます。そう、ここに横波半島中央に横たわるメランジュの断面がババーン!と露出しているのです。ここを歩けばメランジュの断面が見えるのです。なるほど!
階段下りて左へ歩きます。まずは五色ヶ浜ルートの北半分です |
階段を下りてとにかく左に(北)に進みます。岬というか鼻と呼ぶか、なんしか山がありますので、頂上まで登ります。足場が悪いので気をつけます。なんと、てっぺんで五色ヶ浜ルートが一望で済ます。すてきだ! 北を見るとちょっと向こうに塊状の砂岩が、どどーんと大きく顔を出してます。これは須崎層の砂岩優勢の部層です。だから横浪メランジュはその手前までですね。あの辺がメランジュの境界かな? そんで振り返って南を見ます。ずーっと先に見える岬の先端に下津井層があります。だからここからは横浪メランジュの北から南の端から端までの断面が一望できるってわけです。ふんふん、なるほど。
南を見ると、横浪メランジュ全部が一望できます。すばらしい連続露頭ですね。一番向こうの岬まででちょうと横浪メランジュ断面です。 |
では、せっかくですので、北の境界を見に行きましょう。山を下りてしばらくは黒色頁岩が優勢です。砂岩層も入ってますが、レンズ状に引きちぎられてます。ふと、急にきれいな砂岩頁岩互層に出くわします。あ!岩相が変わった。とわかります。そこは須崎層です。もう少し歩くと、砂岩優勢になったことがはっきりします。というわけで、引き返して境界を見ましょう。これが境界断層か。北側の須崎層がセノマニアン(白亜紀後期の始まりの頃)で、横波メランジュがカンパニアン〜マーストリヒシアン(白亜紀最後)なので、この断層を挟んでえらい年代差が生じてます。すごい断層かもしれませんが、見た目はあっさりです。控えめだ。
北にしばらく歩くと須崎層が露出します。なるほど。きれいな砂岩泥岩互層だ。 | じゃあ少し戻って、メランジュとの境界を探しましょう。あ、この断層かな? |
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