単位の取り方(?)

update 2004.6/6

オリエンテーション みたいなぁ

4月になると新入生たちが学内を緊張感を持って歩いています。その雰囲気だけで一目で新入生だなとわかります(服もきれいだし)。そんな彼ら彼女らも、すぐにまっとうな2回生、3回生へと進化(良い意味でも、悪い意味でも)していくのがすごいですね。アドバイスなんかいらないんじゃないかとも思います。でも充実した大学生活を送って欲しいと、全ての教官が想っているのでオリエンテーションがあるのだし、こういうコーナーもあるのでしょう。

写真と本文は一切関係ありません。

Q1、先輩に取りやすい講義を教えてもらいました。でも、同じ時間に興味ある講義があります。どっちを取るべきか考えています。
A、興味ある方を取るべきです。

 

単位を取らないと留年の危機だというなら別ですが。そもそも先輩が教えてくれたという、そのラクショーな講義というのは、出席しなくてもテストも受けなくても単位をもらえるのでしょうか? 「申請するだけで2単位!」なんですか? もしそうならラクショー講義の方を申請して、実際には自分の興味のある講義にこっそり出席するという手もあるでしょう。そうしたらラクショーの方で単位も取れるし、同じ時間に好きな講義も聞けますよ!
もっとも実際にはそういったパターンでは長続きせずに、結局どっちの講義にも出ない、という結果になってしまいかねません。単位ももらえないのに単に「好きだから」という動機だけで講義を受け続けるのは難しいのです。なにせ高い高い志が必要だからです。私ならできませんね。

Q2、こんな秋晴れの日にはどうして講義を受けなきゃいけないんですか? 旅に出たいです。
A、いいですねぇ。出ましょう!! 

 1週間くらい勝手に秋休みを作って出かけてはどうでしょうか? いいなあ! え?単位??大丈夫ですよ! 何の問題も起きません。なぜならどんな厳しい講義でも、1回くらいは休んでも平気でしょ? ってことはたとえ1週間休んでも、それ以外の週はちゃーんと出席してれば何の問題もないってことですね。「オレ、明日から秋休みにするから、後はよろしく」ってのはどうでしょう。ただしそれ以外の時は欠かさずきっちり出席しなきゃいけませんが。

Q3、専門の授業はいいんですが、教養科目が取れません。
A、フツーです。

 嫌いな科目もまんべんなく勉強できていたら、もっと偏差値の高い大学に行けたことでしょう。留年する人の大半が教養科目でコケるのです。ちゃんとコツコツ出席するということが、いかに困難な仕事であるかと言う事を示しています。
 幅広い知識と教養を身につけた大学人を育成するために教養科目が義務づけられているのです。というわけで教養科目も単位を取れなければ卒業できません。っていうかこれはある種の契約なのです。とりあえずあきらめるほかないでしょう。でも、もし教養の授業がつまらない! 教官にやる気が感じられない!というのであれば話は別です。授業内容の向上は当然要求すべきと思います。
 ま、たしかに毎日コツコツと出席すると言うのは、簡単なことじゃありません。そして「出席ばかりが大事じゃないだろっ!」って言いたいかもしれません。
 でも逆に、「出席しなかったからって卒業できないなんて、ヒドイ!!」という反論は言えないでしょ。ほら、高校生の時の事を思い出せば、できないはずないと思うんですが、ねえ。

Q4、テストの点が悪かったので、呼び出しがかかっています。いろいろ言われるくらいなら潔く落とそうと思います。
A、そんなの潔いと言いません。

 バカなことを言わずに走って教官の部屋に行くべきです。もし留年でもしたらどうすんですか! 1年間余計に大学にいたら、本来なら卒業して働いて給料がもらえるところが、授業料50万円と生活費まで余計にかかるんですよ。数100万円のロスになることは簡単にわかるでしょう。どれだけの量のアルバイトをするつもりですか? それに比べたら、ちょっとくらい頭を下げたってどうだというんですか? 何カロリーもエネルギーを消費しませんよ。こんなのプライドをかける場面じゃありません。「レポートでも何でもしますから、お願いしますっっっ」と頼んでみましょう。それで教官が譲歩してくれれば、それこそがあなたの勝利じゃないですか。あなたが本当にやりたいことを阻む障害(留年)は断固阻止すべきです。

Q5、XXの講義は最後に口頭試問があるっていうんですよ。パスするまで夜中まで! 信じらんない。受けたくないなあ。
A、いい先生じゃないですか!

 何言っているんですか。粘れば単位くれるんでしょ。面倒な事はせずにスパッと切る先生もいるのに、夜中までつき合ってくれて単位くれるなら御の字じゃあないですか。まあめんどくさいでしょうが。また来年取るよりかは労力少ないですよ。

Q6、週休3日にしたいので、水曜の講義は取らないようにしたいです。
A、そいつは良い考えですね。

 でもどうせなら月曜か金曜を休みにしたら、3連休なので毎週旅行に行けるのに、と思います。勝手に休みを作るのはいいんですが、1年間に取るトータルの単位数は減らしてはいけません。つまり休みを増やすなら、大学に行く日にはぎっちり朝から夕方まで講義を入れてメリハリのある時間割にしましょう。
  なぜなら3年間で最低でも116単位取らなきゃいけないんですから。卒業単位は124単位ですが、これを3年生までに取りなさいって言っているのです。それは4回生の時は授業なんて受けているヒマはないからなのです。例えばあなたが卒論のフィールドを台湾や沖縄、はたまたサハリンにしようと思ったとしましょう。そうしたら毎週講義のために戻ってくるのですか? ありえねー。
  4回生はとても忙しいのです。「なぜ、人は寝なければいけないんだろう?」と思えるほど忙しいのです。それほどまでに卒論はたいへんですし、その上進路も決めねばならないからです。
  その卒論というのは、研究素人の皆さんがたった1年弱で新しい分野で何かをまとめようというのですから、そもそもハードルが無茶に高いのです。しかも就職活動や院試と平行に進めるなんて不可能です。できっこありません。もはや破綻必至の状況で、いかに致命傷を免れるかがポイントになったりします。全員にウルトラCを求めているようなものです(だからこそ価値があるとも言えるが)
  私が今、新しい分野で1年で卒論を書けと言われたら、そりゃ非常事態宣言状態になるでしょう。1日17時間がんばってもなんとかなるかな?って感じです。それなのに講義なんて受けれるはずがありません。
 え、そんな事ない? 4回生の先輩達はのんびりしているって? それは接近してる氷山に気づかずにいるようなものでしょう。本当に恐ろしい事が静かに進行しているだけです。私は心中したくありません。何もしなくても卒論発表の日は来るのです。
 休みも単位も活かした充実した大学生活を送って下さい。

Q7、テストの時にカンニングできますよ。これが単位の必勝法でしょ。
A、カンニングはやろうと思えば可能でしょうね。

 問題はバレてないと思っている点でしょうね。学生が考えている以上に教壇からはあらゆる動きが見えるのです。
  まあ、教壇に立つ身であれば、めんどくさいのでやめて欲しいですね。大多数のまともな学生のためにアンフェアを見逃すことはできないでしょー。で、取り締まれば、その学生はその年の単位全てがパーになります。留年必至ですから授業料と生活費で200万円近い損害が出るでしょう。
  あなたの先生はどう考えているのでしょうね? 見ず知らずの人の万引きならいざしらず、自分のかわいい学生をしょっぴくのはためらうかもしれません。でも、もしかしたら「そんなこと関係ない。不正を正すのが正義」なのかもしれません。どうするのが最も良い教育的配慮なのでしょうか? また、「くだらんことしやがって。プライドないのか?」と内心バカにされているのかもしれません。
 う〜ん。 あなたの先生は見逃してくれそうですか? あなたはかわいい学生ですか?

Q8、講義の時間は私の貴重な睡眠時間です。
A、ええ眠いですよね。

 私もよく寝てました。「さっきの授業は、寝なかった」と言うほどにしょうちゅう寝てました。そして自分は気づかれないように寝るのがウマイと自負してました。
  でも、自分が教壇に立ってみると、学生が寝ているのが手に取るようにわかるのです。ははは。私もばれていたのでしょうね。
  だから私は寝ている学生を咎めたことはありません。また、講義内容が小難しくなってくるとバタバタと倒れるのがわかるので、学生の理解度のバロメーターとして便利でした。まあ、試験で困らない程度に寝て下さい。
  ただ、教官は授業前にかなり一生懸命準備をしてから、教壇に立ってしゃべっているので、学生が寝ることを快く思っていないでしょう。

Q9、彼女ができたばっかりで、大学どころではありません。
A、そりゃそうでしょうね。

 なんとなく単位を落としたり不本意に留年したりすべきでない、と思いますが、「これ!」というものがあるならば、大学なんか来なくたっていいと思います。講義だけで4年間過ごしてはもったいないというものです。そして確固たる目的があるのなら5年でも8年でも、、、
 トータルで良い大学生活だったと実感できるよう願ってます。

Q10、期待して入学して来たのに、おもしろくありません。
A、ただ待っていても何も変わりません。

 毎日なんとなく大学に来ても、血沸き肉踊るようなイベントがあるわけではないでしょう。でも、同様に縛るものもないはずです。勉強しようと思えばできるし、自堕落生活を送ることもできるし、暴飲暴食してもいいし、ふたまたかけてもいいし(?)、踊ってもいいし、寝込んでもいいし、質素倹約すらしてもいいのです。とことんできる環境が提供されているのです。そういうチャンスととらえて下さい。

Q11、私は研究者になりたいのですが、今から何を勉強すべきでしょうか?
A、思い直すというのはどうですか?

 30で無職が当たり前の世界を自ら望むなんてフツーの神経とは思えませんが、本人の希望ならしかたありません。
 答える人によって様々だと想いますが、私の答えは ズバリ、3回生まで遊び倒してください。ただし単位は取るべきですし、体も壊すべきではありませんし、借金も気をつけるべきです。
  でも、「あーもう、遊んだ!満足した」って気分になっていてくれている方がいいです。そんで研究室に配属されたら生存に必要最低限以外の全ての時間を研究に費やして欲しいです。1回生の時から遊ぶことなく図書館に通い詰めている学生よりも、いろんなことに興味を持って積極的に何かに取り組んでいる学生の方がうれしいですね。自分の希望や将来を考えておいてくれたらとても良いです。
  知識はあとでもどうにでもなるけれど、明確な自己アイデンティティや本人のやる気(決定的に重要な要素だと思う)は、教わるものではないからです。

Q12、何にもしたくありません。私って引きこもり?
A、無理する必要はありません。

 そのうち外に向かって展開したくなる時も来ることでしょう。たいがいの事は義務ではないのです。クラスの事も、サークルの事も、卒業する事も、就職する事も、彼(彼女)を作る事も、留年しない事も、クラスの人気者になることも、車を買う事も、同棲することも、学食ですませることも、、、 ま、心穏やかに過ごしてください。ただ、3度のゴハンと睡眠と飲み過ぎには注意してください。体調が良くないと悲壮感がただよってきますから。悪い方悪い方へと考えてしまうネガティブごっこに落ち込んでしまっても疲れるばかりです。

Q13、将来、どんな職があるのでしょうか?
A、専門職以外の職もたくさんあります。

 って言うか、専門職に就く人は、どっちかというと少ないのです。とはいえ専門職で言えば、地質調査会社、石油、官公庁の土木関係、教師、研究者などです。そして大学院に進学する人も多いです。とはいえ多くの卒業生はいろんな分野の業種に就いていきます。つまりあなたが今どこかの教室に所属しているからと言って、それはあなたの将来を決める要因の全てではないのです(大きな影響は与えますが)。

Q14、じゃーいったい何のための勉強なんですか??
A、まあ、そう思うかもしれませんね。

 だからと言って、すぐに役立たないことは無駄だと切り捨ててはいけません。
  そもそも社会生活上で必要なものの大半は中学までに習ってきたでしょう?英語だって中学レベルが完璧にできたら外国でも十分生きて行けるでしょう。数学も文学も笛も版画だって一通り習ったし、世界史だってバスケだってやったでしょ。料理もできるし半田ごても使えるしエンジンの仕組みだって知っているはずです。
  だったら高校や大学に行かずに働いた方が実践的で良かったかもしれませんよ。あなたはなぜ高等教育を受けているのですか?

 いったい高等教育の意義はなんなのでしょう。社会的意義はありますよ。とってもあります。そうではなくて、あなたにとっての意義です。

 う〜ん。言葉でいうのは難しいですが、私が接する理系の人の場合、大学とりわけ卒論をやったかやらないかでは大きく違うと思います。ある種のクセというか、相通じるものというか、考え方というか、こうピーンと来るものがあるなあ。そういう経験を積んだということが、その人の考え方に影響を与えていると思います。そして私自身も大学でそういったトレーニングを受けた事が、真に替えがたい財産だと思っているのです。マジで思うな。

四万十帯に便利

何かに便利

1.おもしろい写真
(その1)
2.大学院予備校
3.おもしろい写真
(その2)
4.単位の取り方
5.おもしろい写真
(その3)
6.おもしろい写真
(その4)
7.心霊写真に写っていたもの
8.遭難したかも!
9.用語集
10.用語集2
11.ムー大陸はなかった!
12.自然科学サイトと読者と、
13.おもしろい写真
(その5)
14.おもしろい写真
(その6)


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